ダイエットがうまくいかない原因は“甲状腺”?
代謝が落ちる・痩せない・疲れやすい人が知っておくべき知識
・ダイエットを頑張っているのに体重が減らない。
・食事を気をつけているはずなのに、なぜか太っていく。
・運動をしてもすぐ疲れてしまう。
実はこういった悩みの裏に、「甲状腺ホルモンの異常」が隠れていることがあります。
甲状腺ホルモンは、体の代謝(エネルギーを使う能力)をコントロールする“エンジンの回転数”のような存在です。
このホルモンが多すぎても、少なすぎても、体は正常に働けません。
本記事では、パーソナルジムFUTUREで多くのお客様を指導してきた経験と、医学的な知識をもとに、
- 甲状腺がダイエットに与える影響
- どんなサインがあるのか
- どう対処すべきか
- カウンセリングで見抜くポイント
を分かりやすく解説します。
1. そもそも甲状腺ホルモンとは?
まず前提として、甲状腺は首の前側にある小さな臓器で、
ここから T3(トリヨードサイロニン) と T4(サイロキシン) というホルモンが分泌されています。
これらのホルモンは、
- 基礎代謝の調整
- 体温コントロール
- 脳や心臓の働き
- エネルギー消費のスピード
- 脂肪の燃え方・筋肉の分解速度
に深く関わっています。
つまり、甲状腺ホルモンは 「痩せる・太る」 に直接関わる極めて重要な存在です。
2. 甲状腺に異常が起こるとどうなる?
甲状腺ホルモンが正常に働かない状態は、大きく2種類に分けられます。
① 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)=ホルモンが多すぎる状態
“エンジン全開、常にアクセル踏みっぱなし”の状態です。
● よくある症状
- 食べても痩せる
- 暑がり・汗が多い
- 動悸・息切れ
- 手の震え
- イライラしやすい
- 下痢
- 寝つきが悪い
代謝が高すぎるため、食べても食べても減ってしまい、
一見「羨ましい」と思われるかもしれませんが、実際は体が疲弊し続けています。
● ダイエット・筋トレへの影響
- 筋肉がどんどん分解される
- 心拍数が上がりすぎて危険
- 有酸素運動はオーバーワークになりやすい
- 食事制限でさらに悪化する
② 甲状腺機能低下症(橋本病など)=ホルモンが少なすぎる状態
“エンジンが止まりかけ、回転数が極端に低い状態”です。
● よくある症状
- 太りやすい・むくみやすい
- 寒がり
- 疲れやすい
- 便秘
- 髪が抜ける
- 肌の乾燥
- 脈が遅い
- 眠気が強い
- メンタルが落ち込みやすい
● ダイエット・筋トレへの影響
- 基礎代謝がガクッと低下するため痩せない
- 運動がすぐしんどくなる
- 有酸素よりも筋トレの方が相性が良い
- 食事制限をするとさらに代謝が落ちる
パーソナルジムFUTUREのコンセプトである
「しっかり食べて痩せる」「代謝を落とさない」
を特に大切にすべきタイプです。
3. 甲状腺異常の原因
甲状腺異常の原因は主に3つあります。
① バセドウ病(80〜90%)
自己免疫の異常で、体が甲状腺を刺激する抗体(TRAb)を作ることで起こります。
● 発症のきっかけ
- 強いストレス
- 過労
- 出産後
- 睡眠不足
- 喫煙
- 遺伝的要素
とくに 几帳面・ストレスをためやすい性格 の人に多い傾向があります。
② 無痛性甲状腺炎
炎症により、甲状腺ホルモンが血中へ“漏れ出る”タイプ。
産後や自己免疫の影響などで起こります。
特徴としては、
- 数ヶ月で自然に落ち着くことが多い
- 亢進→低下の順に症状が入れ替わる
③ ヨウ素の過剰摂取
昆布・わかめ・海藻サプリを大量に摂るなどの特殊なケースで起こります。
日本人でも「だしを大量に飲む」ような特殊な生活をしている人以外は少ないです。
4. 甲状腺異常を疑うべきサイン(チェックリスト)
以下は、トレーナーが見抜くためにも、お客様自身が気づくためにも重要です。
【甲状腺機能亢進症タイプ:代謝過剰】
- 食べても痩せる
- 汗が多い
- 暑がり
- 動悸・息切れ
- 手の震え
- イライラ
- 眠れない
- 運動で心拍が上がりすぎる
- 筋肉が落ちやすい
【甲状腺機能低下症タイプ:代謝低下】
- 太りやすい
- むくみやすい
- 冷え性
- 疲れやすい
- 便秘
- 肌の乾燥
- 髪が抜ける
- 朝起きられない
- メンタルが落ち込みやすい
- 運動がしんどい
当てはまる項目が多い場合、
一度TSH・FT3・FT4の血液検査を受けることをおすすめします。
5. 甲状腺異常の対処法
① 医療機関での治療(必須)
症状が強い場合は必ず医師による治療が必要です。
- 抗甲状腺薬
- β遮断薬
- 放射性ヨウ素治療
- 甲状腺の手術(ごく一部)
どれも確立した治療で、症状が落ち着いた後は普通の生活に戻れます。
② 日常生活での対応
● 甲状腺機能亢進症の場合
- 心拍を上げすぎない運動
- 強度の高い有酸素は避ける
- カフェインを控える
- 睡眠を十分に取る
- 炭水化物とタンパク質を定期的に摂る
● 甲状腺機能低下症の場合
- 極端な食事制限をしない
- 炭水化物をしっかり摂る
- 筋トレ中心で代謝を底上げ
- 体温を上げる生活
- 7〜8時間の睡眠
6. FUTUREのカウンセリングでチェックしている“甲状腺のサイン”
― 当てはまったら要注意かも? ―
ダイエットがうまくいかない理由は、努力やメンタルだけではありません。
実は、普段の会話の中に “甲状腺の異常を示すヒント” が隠れていることがあります。
パーソナルジムFUTUREでは、初回カウンセリングの中で無理なく聞ける質問を通して、
お客様の状態を丁寧に把握するようにしています。
以下に紹介するのは、実際にジムで使っている質問を
「当てはまったら甲状腺が原因かも?」という観点でまとめ直したものです。
自分自身にも当てはまるか、ぜひチェックしてみてください。
【体重・代謝のサイン】
“体重の変化は代謝異常のヒントになる”
● 「最近、体重の変動はどうですか?食べる量と合っていますか?」
- 食べても勝手に痩せる → 甲状腺機能亢進症の可能性
- 食べていないのに太る → 甲状腺機能低下症の可能性
● 「以前より汗の量が増えたり、暑がりになった感じはありますか?」
- 汗が異常に増えた → 亢進症のサイン
● 「逆に、手足が冷えやすくなったり、むくみが出てきたことはありますか?」
- 冷え・むくみ → 低下症のサイン
【心拍・疲れ方のサイン】
“心臓の動きも甲状腺の影響を受ける”
● 「運動中、動悸や息切れが強く出ることはありますか?」
- 少しの運動で心拍が跳ね上がる → 亢進症でよく見られる
● 「安静時に脈が速い、あるいは遅いと感じますか?」
- 脈が速い → 亢進症
- 脈が遅い → 低下症
心拍の異常は、トレーニング現場で最も気づきやすいポイントです。
【気分・メンタルのサイン】
“自律神経の乱れが出やすい”
● 「最近、気分の浮き沈みや、やる気の低下はありますか?」
- 落ち込み・だるさ → 低下症の典型
● 「イライラしやすくなったり、寝つきが悪くなることはありますか?」
- 興奮しやすい・眠れない → 亢進症に多い傾向
メンタル面が安定しない時も、実は体内のホルモンバランスが関わっていることがあります。
【外見や身体の変化のサイン】
“髪・肌・体温にも現れる”
● 「髪の量が減ったり、肌が乾燥しやすくなったと感じますか?」
- 髪の抜け毛・乾燥 → 低下症に多い
● 「手が震える、じっとしていられないと感じることはありますか?」
- 手の震え → 亢進症の特徴的なサイン
このあたりは本人が「歳のせいかな」と思いがちですが、ホルモンが原因のことも多いです。
【複数当てはまった場合は?】
“努力しても痩せない理由が体の中にあるかもしれない”
質問に 3つ以上当てはまる場合、甲状腺の影響が強い可能性があります。
特に以下の組み合わせは要注意です👇
🔥 亢進症の疑い
- 食べても痩せる
- 動悸・手の震え
- 汗が多い
- 脈が速い
🧊 低下症の疑い
- 太りやすい
- 冷え性・むくみ
- 疲れやすい
- 落ち込みやすい
- 髪が抜ける
こうしたサインが強い方には、
「一度TSH・FT3・FT4の血液検査をすると安心ですよ」
とお伝えしています。
7. 痩せない原因が“努力不足”とは限らない
ダイエットを頑張っても痩せないと、多くの人が自分を責めます。
しかし、甲状腺ホルモンの異常がある場合、
どれだけ努力しても体は思うように動いてくれません。
これは 根性論の問題ではありません。
体の仕組みが正常に動いていないだけです。
パーソナルジムFUTUREでは、
「食事・運動・生活習慣・健康状態」
すべてを考慮したうえで指導を行います。
もしあなたが…
- 何をしても痩せにくい
- 疲れやすい
- 代謝が低い気がする
- 運動で心拍が上がりすぎる
という悩みを持っていたら、
それは体からのサインかもしれません。
一度、専門家や医療機関に相談しながら、
無理のない範囲でダイエットを進めることが大切です。
まとめ
- 甲状腺ホルモンは「代謝のエンジン」
- 多すぎても、少なすぎてもダイエットは難しい
- 甲状腺異常は珍しくなく、特に女性に多い
- 対処法は医療+生活改善+適切な運動
- 自覚がなくてもサインが出ている場合が多い
- FUTUREでは状況を見ながら無理のない指導を行う


